SATURDAY NIGHT RUN

世界に絶望しないための処方箋

「成功者」の言うことは聞かなくていい

世の中には「成功者」と呼ばれる人たちがいる。

ユーチューブなどを開けば、そういった人たちの発信する情報に簡単にアクセスできるから、現代はよほど便利な時代だ。

しかし一方で、彼らの話を聞いていても全く共感できなかったり、不愉快な気持ちにさせられることも多い。

なにゆえ、彼らの発言がそんなに不愉快なのか?

それは彼らが成功していない我々のことを見下しているように思われるからだ。

彼らは「頭の悪い人」とか「バカ」とかいう単語を平気で言う。

そして私は「それって私のことですよね?すいませんね、バカで」と思ってしまう。

当たり前のことだが、「頭が悪い」とか「バカ」とか言われて嫌な気持ちにならない人はいない。そして、こういった一部「成功者」と呼ばれる人たちや、それにかぶれてしまった人たちの心ない言葉に、傷ついてしまっている人たちもいるだろう。そんな人たちに向けて、私は「そんな人たちの話は聞かなくていい」と言いたい。

 

なぜ私がこんな心無い言葉に反応してしまうのか自己分析してみると、私も根本的には「自分も成功したい」という思いが心の底にあるからだと思う。しかし現実は、無職負け犬。とてもではないが「成功」という言葉とはほど遠い位置にいる。そのコンプレックスが、そういうつまらないことに反応を起こさせるのだろう。

 

また、時にその成功者たちが現代の生活苦に苦しむ人達に向けて発しているメッセージの中に「日本に生まれただけまだマシ」といったようなことを言う方もいる。

しかし、本当に苦しんでいる立場からすると、そういった苦しみは比較によって解決するものではない。苦しいと感じていることは、どんな内容であれ、極めて個人的な感情・感覚だ。

「どこどこのだれそれはこんなだから、あなたはまだいい方だ」みたいに言われても、全くなぐさめにならないと感じたことはだれにでもあるのではないだろうか。

 

確かに世の中の真実や事実を語るうえで、ある程度批判的なことや誰かを不快にしなくてはならないものの言い方をしなくてはならないことはあるとは思う。ただ「成功者」という極めて稀な立場にいる人達の言うことを真に受けて、ただでさえ毎日自分で自分を責めていたり、自己否定の渦中の中にいるような人が、それ以上自分自身を傷つけなくてもいいと思う。

別に世の中、成功することが目的ではない。

成功せずとも、前向きに生きていくことは可能だ

 

もしあなたが、「成功者」や世の中の「上」の立場にいる人たちの一方的な発言に傷ついてしまうことがあるのなら、そんな人達の話は聞かなくていい。

 

 

※※※『反応しない練習』※※※

今の世の中「反応」にあふれている。多くの人がささいなことにいちいち反応しては「ああでもないこうでもない」と言っている。特にSNSなどのバーチャル空間は反応の世界だ。炎上などという不穏な単語まで流通し、放っておけばいいことにいちいち首を突っ込んでは騒ぎ立てている人たちが多い。かくいう私も、一日の終りにふと「なんか今日、疲れたな」と感じることがあるが、そういう日は、振り返ると、無駄な反応を繰り返していた一日だったりする。

無駄な反応をしないことで自分の心に静寂が戻り満たされていくことは間違いない。

この有益な事実は情報の中で暮らすうちにすぐに忘れてしまうのだが、できるだけ思い出すことで人生はより充実していくものと思われる。